防犯設備士が教える侵入に対する警戒設備

防犯設備士が教える防犯ノウハウ

私達は皆様のご住居から街の安全まで様々な所の「防犯」に関わるプロです。防犯に関することを1つ1つ解説していきます。

広島の防犯設備士の晃響です。宜しくお願い致します。

失敗しない防犯設備の設計

「防犯カメラを自分で取り付けてみたものの重要な情報を得られなかった」、「電気屋さんに取り付けてもらったが画角が悪くて大切なところが写っておらず、手がかりが得られなかった」、「ネットで安いカメラを買ったら画質が悪く不鮮明で、半年も経たずに壊れてしまった」など、防犯設計は意外と盲点が多いのです。これらの例の様にならないためには次のような注意点があります。

1、自分で取り付けるときも必ず「目的(purpose)、理由(reason)、手段(means)」を考える。

例えば防犯カメラの場合、侵入者の顔がはっきり分かるように画角を狭くし倍率を上げた場合カメラの前を一瞬で通り過ぎてしまうと顔は写っているがハッキリ分からない映像になってしまいますし、車のナンバーなどが分かるように画角を広くすると犯罪者の顔が小さく分からなくなってしまいます。

2、電気屋さんはあくまでも取り付け業者さん。防犯のプロではない。

もちろん専門知識を持った方や防犯設備士の資格を持った方もいらっしゃいますが、防犯機器の選定や設置がプロであっても犯罪企図者の行動や心理に関しての専門知識は持っていないと場合が殆どです。

3、安くても買う前にしっかりと説明書などを読み性能も吟味する。

安いものが悪のではありませんが、適材適所、大切な部分には確実に動作する機器を使うべきですし、定期的な確認も必要です。

失敗しないための侵入対策

侵入対策で一番大事なのは「この家なら侵入できそう」と思わせないことです。そのためには心理的な要素も大切でお家の外観から庭まで隅々にも気を使うことが大事です。

侵入対策において、有効とされる最も簡単な防犯設備は「防犯カメラ」、「センサーライト」です。この二つには共通点があり、それはどちらもカメラや周囲の人から「姿をはっきりと捉えられてしまう」というところです。空き巣や泥棒の多くは姿を見られることや発見につながることを嫌います。そこで有効なのがこの二つです。

しかし、この簡単な防犯設備でさえも取り付ける場所や機器の選定で残念な結果になってしまう事もあるのです。

侵入に対する警戒方法

侵入に対する警戒方法は数多くあり、今までに「防犯カメラ」や「防犯センサー」「防犯シャッター」などを前回のブログで挙げました。今回はその中の「防犯センサー」正しくは「侵入検知器」(または単に「検知器」とも呼びます。)その検知器について、どのような検知器があるのか、どんな検知の仕方があるのかなどをお伝えします。

警戒方式と検知器の種類

防犯設備士協会によって定められた基準では、警戒方式、検知器で4つずつの基準があります。警戒方式は簡単に言うと「どの範囲を警戒するか」を決めており検知器の種類は「検知器がなんの状態を異常として認識するか」を定めています。

警戒方式による違いと検知器の種類

上でざっくりと説明しましたが、ここではそれをより詳しく説明いたします。

検知器の種類

①点検知器 点検知器にはマグネットスイッチやシャッター検知器、振動検知器などありますが、これら点検知器は「扉の開閉や戸の開け締め、シャッターなどの開閉」など細かな動作の異常な状態に反応する設備の事を指します。

例えばこれはドアに取り付けて使うタイプ

②線検知器 線検知器には有線のセンサーであったり赤外線ビームのセンサーなどのことを言います。これらはフェンスや柵、壁の上などの異常を感知する設備のことを指しています。

これはフェンスや壁の上など直線的に感知するタイプです。

③面検知器 面検知器にはレーザー式検知器や有線、赤外線ビーム(どちらも多段式)など広い「面」での異常を検知する設備のことを指します。

これは多段式の検知器タイプです。

④空間検知器 空間検知器には赤外線パッシブ検知器があり、何やらややこしいですが簡単に言えば ショッピングモールやコンビニ、ビルやマンションなどに取り付けられている「自動ドア」と似ている検知器のことを指します。

これはご家庭向きのタイプです。

警戒方式

①点警戒 点警戒とは「限られた場所(その一点)を警戒する方式」とされています。ここで言う「その一点」とはスイッチや金庫の鍵部分などその一点のみを検知すること指しています。

②線警戒 線警戒とは「線状の範囲を警戒する方式」とされていて、「線状」とはフェンスや柵、壁の上などを警戒する方式のことを指しています。

③面警戒 面警戒とは「面状の範囲を警戒する方式」とされていて、「面状」とはガラスの破壊音やレーザー、フェンスや有線のセンサーなど、点、線、面、空間検知器を含めたほぼすべての場所を含めた警戒する方式のことを指します。

立体警戒 立体警戒とは「空間を警戒する方式」とされていて、主に天井から床面を警戒する方式のことを指します。

次回のブログでは警戒方式や検知器が一般のご家庭などでどのような場面で役立つのかを1つ1つ解説していきます。

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